企業キャラを手探りで作るブログ

イメージキャラクターを作って育てて活用する予定です

その男、M。

弊社ではECサイト以外にも実店舗を数件運営しております。

これらの実店舗は例えば取材が来るなどのPR面でも有効ですし、なにより通販で売っているものを実際に見たり触ったりできる点でお客様も安心してお買い物ができると考えております。

 

 

 

そんな日本各所に点在する実店舗を取り仕切るマネージャーのM氏。

ついこの間エリアマネージャーからエリアを限定しないマネージャーにクラスチェンジなった彼ですが。同僚からはまだエリアマネージャーとかAMとか呼ばれています。

 

 

 

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パサッ。

 

 

 

「えっ」

「曲コレな、M」

「曲ってあのこの間のキャラクターのですか?」

 

パサっと置かれたプリントアウトを確認してみる。

 

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(あっ……(察し)コレ歌詞だ)

 

 

 

「曲つくってな、できるやろ?」

 

弊社における経験値が高く、よく訓練された社員であるMは動じなかった。
しかも彼は入社前まで「オレは音楽で食っていく…!」と毎夜毎晩ヘッドバンギングとかモッシュとかマザーファッカーとかそんな毎日を送っていたのだから。

 

「え、どんなんにしたらいいんですか?確か初音ミクとかっていうてましたよね。」

「元気な曲や」

 

弊社における経験値が高く、よく訓練された社員でもこのオーダーには若干衝撃が走った。

ここでいう「どんなん」とは音楽のジャンルであったり楽曲を構成するあれこれなわけだ。

普通ならここで有名どころのアーティストや曲を挙げて、「あんな感じトーク」をするのが定石だ。しかし社長とその話をしたところでジェネレーションギャップ的なアレとかが邪魔して円滑なトークと明確なゴールは見えてくるとは考えにくい。

 

 

(これはシュミに走ってもかまへんな…)

 

 

しかし、そこはやはり弊社における経験…(以下略)である。

初音ミクに歌わせて、曲調は「Perfume」とか「きゃりーぱみゅぱみゅ」みたいでわかりやすいエレクトロポップ。それプラス自分のシュミ的サウンドと曲の方向性はこの時すでにほぼ固めていた。

 

 

「で、いつまでですか?」

 

 

 

 

「一週間あればできるやろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

……M氏が思考停止してから一週間後。

 

 

 

「曲まだか!まだできへんのか!」

「い、今作ってますって…!」

 

このブログを書いているワタクシも若干DTMはカジっており、ゼロから作曲を始めてフルオケ(楽器音がすべて入っている状態)になるまでは2~3か月くらいかかる。

コード進行をきめてメロディを起こし、各楽器のオーケストレーションとかグルーヴとかを決め、データの打ち込みや生音の録音。それが終わったらミックスダウン作業があり、ミックス作業中にひらめいちゃったらまた音を足したり引いたりしつつ、最後にマスタリングを経てやっと1曲仕上がるのだ。

 

わかりやすく言うと、チャーハンを作るのにまずはどんなチャーハンを作るかのプランニングがあり、材料を買ってきて、材料を刻んで、材料を炒めたりとかして、材料をすべて混ぜ、盛り付けして完了となるような感じとよく似ている。

 

 

この時点でのMは、コード進行とメロディができかけている段階だったと思われる。

 

 

「ほんまか?ほんまに作ってるんか?」

「いやほら曲っていってもジャンルとかあるやないですか!どんなん(2回目)にします?(あと歌詞も1コーラス分しかない…のは黙っとこう)」

「こんなんでCDデビューできるんか!」

「(え?CDデビュー!?)音楽のジャンルだけでも指示してください!」

 

急に社長の表情が変わる。

 

「ん~~~そやなぁ。ロック…やとちょっとキッツイし。ポップなロック調で!」

「ポップなロック…(メモ取り中)」

 

こういうときの社長って無駄に楽しそうだ。

 

「あとちょっぴりバラードチックな感じでノリがいい?」

「ノリがいいバラード…ってほぼ全部入りやないすか!」

 

 

 

その後、納期をまるでマタドールのようによく訓練されたテクニックでサラリとかわしつつ、約1か月が経過し、初音ミクが歌う「くのいち真友」の楽曲は完成したのでした。